数年前、単板トップのフルアコが欲しいと思っていた時に、
16インチで取り回ししやすく、単板トップを持つGibson L4 CESというギターのことを知り、購入しました。あまり情報がないギターなので、実機を細かく紹介していこうと思います。
L-4 CESがどのような歴史を持つギターかについては別記事を作成しています。
購入経緯
ヤフオクでリサイクルショップから相場より安く入手しました。
しかし残念なことにネックがかなり反っており、ネック調整・指板調整・フレット交換をリペアショップで依頼しました。修理費用は5万円以上かかり、結果的には相場並みの価格になりました。
ただ、しっかり調整されたことで安心して演奏できる一本になっています。
今の相場を調べようと思いましたが、中古市場に出ておらず分かりませんでした・・・
175よりは安くなるのかな?

所有L4のスペック
購入した個体のスペックは以下のとおりです。ブリッジが交換されていました。
他はおそらく純正です。
製造年 | 1994年 |
---|---|
トップ | 単板スプルース |
サイド/バック | メイプル |
ピックアップ | 57 Classic ×2 |
ブリッジ | Gotoh製(非純正) |
ポット | CTS 500K ×4 |
コンデンサ | セラミック 0.022μF ×2 |
重量 | 実測値:約3.4kg |
シリアルナンバーは”94″から始まるものでした。Gibson公式によると、94年のものは通常のシリアルナンバーとは違う記載であるようです。
“94”で始まる番号について:
1994年、ギブソン100周年の年において、多くの製品はその年を表す”94″で始まるシリアル番号を持っています。”94″に続く6桁については、通し番号を表しています。 Serial Number Search | Gibson Japanシリアルナンバー検索 ギブソン・シリアルナンバー 1975年---現在 こちらのページにつきまして、ギブソンにより生産・流通した楽器の年式の特定作業の一助となることを目的に、公表しております。以下の情報のほ …
外観
外観はラッカーの経年変化が感じられ、全体的に落ち着いた風合いです。
ゴールドパーツは主張しながらも経年によるくすみで、悪目立ちしません。





パーツ類も経年でいい感じになっています。





カタログに見るL-4CES
1994年の日本版カタログおよび1994年のHistoric CollectionカタログにL-4CESは掲載されていました。
私の所有個体の仕様は、このHistoric Collectionカタログに記載されているものと一致しています。
当時の公式カタログに掲載されていたことから、1990年代半ばにはレギュラーラインに含まれていたことがわかります。
参考リンク:Guitar-Compare.com – Gibson Catalog Archive
1994年のHistoric Collectionカタログの情報一部抜粋
ピックアップ | ’57 Classic |
指板材 | エボニー |
トップ材 | 単板スプルース |
バック材 | 合板メイプル |
サイド材 | 合板メイプル |
ネック材 | マホガニー |
カラーバリエーション | エボニー、ナチュラル、サンバースト、ワインレッド |
木材系の情報がはっきりして、すっきりしました。
カラーバリエーションがたくさんありますね。エボニーやワインレッドのフルアコってあんまりみない気がします。
演奏インプレッション
L-4CESは単板スプルーストップのためか、生鳴りがよりオープンで大きく、弾いていて気持ち良い響きがあります。
アンプに通すと、57 Classicらしい甘く丸いトーンで、ジャズらしい雰囲気をしっかり出せます。
また、16inchのサイズなので、持ちやすいです。ずっと16inchのArchtop Tribute (一番安い10万程度のモデル)を使っていたので、慣れているんですよね。
あとは、単純に高いギターだからか、フレット交換をしたためかは分かりませんが、低音から高音までバランスよく音が鳴ります。どのポジションもいい音です。
アンプはDeluxe Reverbを使っています。
気になる点と改善
- ポットのシャフト曲がり→ポット交換
- Gotoh製ブリッジ→ブリッジ交換
- パーツの共振→一旦分解、締め直し
何を血迷ったか高級ノブを買ってしまったのですが、ポットのシャフトが少し曲がっていて、取り付けることができませんでした。
せっかく買ったノブがつけられないのは悔しいので、ポット交換に挑戦してみます。
フルアコのポット交換はかなり大変ですが・・・
ちなみに、林商会 Bell knob CAB Relic Gold Inchという商品を購入しました。
CABという素材でできており、1960年代までのギターのノブに使われていたようです。

ゴトー製ブリッジについては、これ自体が悪いわけではないのですが、前オーナーが交換したものだと思うので、一旦GibsonのABR-1に戻したいと思います。

パーツの共振については、テールピース周辺やピックガードあたりから音がします。
アンプに拾われるほどではないですが、気になりますね。
上記のパーツ交換の際にネジをしっかり閉めてみようと思います。
まとめ
1994年製のL-4 CESを紹介させていただきました。
素人の自分にとっては勿体無いくらい良いものだと思うので、大事にたくさん弾いていきたいと思います。



